道尾秀介の考える理想のウイスキーグラスとは?

ウイスキーを愛するミステリー作家と
ガラスの謎を知り尽くす菅原工芸硝子の職人が挑む、
グラス開発プロジェクト。 (このプロジェクトは日本推理作家協会のご協力のもと、実現しました)

今回グラスを手掛けたのは、
『背の眼』での鮮烈デビューから10年、
多彩な作品で数々の賞を受け、躍進を続ける作家・道尾 秀介氏です。
普段から小説を片手にウイスキーを飲むことが多いという道尾氏が、
「まさに欲しかったグラス」と語る逸品が、堂々完成。
シンプルながらも異彩を放つ[サンダウナー]の魅力を伺います。

道尾 秀介(みちお しゅうすけ)
1975年生まれ。東京都出身。2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、作家デビュー。
2005年『向日葵の咲かない夏』が大きな話題となり、後に文庫版がミリオンセラーに。
2007年『シャドウ』で第7回本格ミステリ大賞(小説部門)、2009年『カラスの親指』で第62回日本推理作家協会賞、
2010年『龍神の雨』で第12回大藪春彦賞、『光媒の花』で第23回山本周五郎賞、2011年『月と蟹』で第144回直木賞を受賞。
「小説にしか描けない表現」を追求し、多彩な作品を発表し続けている。

Inspiration サンダウナーへの憧れ

道尾氏にとって、ウイスキーを飲む時間は
「極めて個人的」なもの。ひとりグラスを傾け、深まっていく時を味わう感覚があるといいます。時の深まりが最も鮮烈に感じられるのは、夕暮れどき。そんな中で味わう一杯は、時間で区切ることのできない生活スタイルをとる道尾氏にとって憧れの存在なのだとか。たとえ夜中であっても、[サンダウナー(=日が沈むころに飲む飲み物)]を味わえるように。このグラスにはその想いが込められました。

Partner うつろう美を仕掛けるガラス職人

常識にとらわれない発想と尽きることのない
情熱で、ガラスが描く美しさを追求する職人・
松浦健司氏。道尾氏の要望にふたつの仕掛けで応えます。ひとつは、グラス底面に施した琥珀色。もうひとつは、湧き上がるように配した細かい泡。中に入るウイスキーや氷をやさしく染めあげ、光を受けてうつろいます。

Shape 掌におさまるプレーンな形

どんな時でも気兼ねなく手に取ることができるデザイン。日常的にウイスキーを飲む道尾氏にとって、シンプルで機能的なグラスであることは必須条件でした。キュッと締まった底から、口部にかけてすんなりと立ち上がるフォルム。持つ手にも自然におさまり、ウイスキーの奥深い香味やグラスの表情を堪能させてくれます。

Feeling 深まる時を感じながら

氷を入れウイスキーを注ぐと、
途端に艶やかな光を放つこのグラス。
底面の琥珀色や泡の煌めきが複雑な映り込みを見せ、手の中でさまざまな景色が生まれます。特筆すべきは、飲み進めるごとに底面に施された色が存在感を増し、琥珀が深まっていく点。夕暮れどき、染まりゆく空を眺めるような気分で、至福の[サンダウナー]を味わうことができます。

×Book 『ラットマン』著者:道尾 秀介(光文社文庫)

このグラスのテーマとなった[サンダウナー]。   
道尾氏の著書『ラットマン』の中で、
主人公たちが組むアマチュアバンドの
バンド名としても登場しています。
心理学の用語で思い込みによる錯誤のことを
指す「ラットマン」になぞらえた巧妙な
抒情トリックが光り、ウイスキーと同じく、
ひとりで過ごす時間を色濃く深める存在です。

『ラットマン』著者:道尾 秀介(光文社文庫)

謎 Nazo

手の中に見る夕陽

夕暮れどきに飲む一杯の酒を、サンダウナー(Sundowner)と呼ぶけれど、誰もが夕暮れどきに一息つけるわけではない。もし手の中に、自分だけの夕陽を見ることができたら。そんな気持ちを込めたグラスです。

  • 多彩な表情を引き出すため、
    あえて半円状に入れた琥珀色と、
    重曹を焼き込むことで
    生まれた繊細な泡。

  • 覗き込むようにして見ると、
    底面の琥珀色が
    グラス内壁や泡に映り、さまざまに
    影響しているのが分かります。

  • ウイスキーを注ぎ入れると
    途端に艶やかな印象に。
    琥珀色がきれいにまわり込む丸氷で
    楽しむのもおすすめです。

道尾 秀介「謎」グラス商品詳細を見る。

  • <社団法人 日本推理作家協会>
    ミステリーと関わりのある作家・評論家・翻訳家・漫画家など、エンタテインメントの担い手が結集した文芸団体。1947年、江戸川乱歩を中心に設立された探偵作家クラブを前身としており、現在630名を超える会員が所属している。

  • <Sghr 菅原工芸硝子>
    1932年の創業以来、ハンドメイドに徹したものづくりを続けるガラス製品メーカー。千葉県九十九里に工房を構え、高度な技を持つガラス職人の手で、高品質かつ創造性豊かなラインナップを多数生みだしている。

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