18GOODS BAR SPECIAL ISSUE 琥珀の香りを包む、技と想いの結晶 山崎×タケオキクチ 香り愉しむフレグランスグラス

Goods山崎

コラボレーション第弾は、ウイスキーの真髄である“香り”を愉しむグラス

山崎×タケオキクチ
香り愉しむフレグランスグラス

2014年、自身の名を冠したブランド
『TAKEO KIKUCHI』が設立30周年を迎え、
ますます刺激的なクリエイションを
発表し続けている菊池武夫氏。
サントリーウイスキー「山崎」との
コラボレーション3作目となる今回は、
ウイスキーの醍醐味である“香り”を
愉しむことに焦点を当てたグラスとなりました。
アイディアやこだわりは鋭さを増すばかり。
菊池氏の熱い想いをご紹介しましょう。

PROFILE

1939年、東京都生まれ。1970年、31歳にして『BIGI』を立ち上げ。その後『MEN’S BIGI』で一世を風靡し、パリ進出を果たす。1984年に『TAKEO KIKUCHI』を始動。2004年『TAKEO KIKUCHI』クリエイティブ・ディレクターを後任に引継ぐも2012年に復帰。30周年を迎えた同ブランドの飛躍を目指して活動し、業界内外から注目を集めている。

山崎倶楽部

山崎×タケオキクチ 香り愉しむフレグランスグラス TAKEO KIKUCHI

ガラスの美しさを捉えた香りに集中するためのデザイン。

普段から「山崎」を愛飲しているという菊池氏。繊細で複雑な香味に集中するため、ストレートで味わうことが多いそうです。ジャパニーズ・ウイスキーならではの、華やかな香りを存分に感じるために最適なグラスとは・・・?“香り”を愉しむことをテーマとした今回のオリジナルグラス。構想を練る中でヒントになったのは、山崎蒸溜所で原酒のヴァッティングを繰り返すブレンダーの姿でした。まるで手の一部かのように巧みに操る、小ぶりのテイスティンググラス。短めのステムは、持つ手の温度がウイスキーに伝わらないようにするもの。チューリップの花に似たくびれのあるシェイプは、香りを感じやすいように計算されたものです。ブレンダーは、何度も何度も香りを確かめ、唯一無二のウイスキーを創りあげていくのです。
そしてもうひとつ、インスピレーションを受けたのは、繊細優美なヴェネチアングラス。ガラスの魅力を引き出す精緻な彫刻や美しく伸びたステムの印象は、デザインの素となっています。

山崎×タケオキクチ 香り愉しむフレグランスグラス TAKEO KIKUCHI

50年以上にわたりメンズファッションを牽引してきた菊池氏。洋服からグラスまで、すべてのクリエイションにおいて“カジュアルであること”を追求しているといいます。普遍的でクラシックな要素もありながら、手近に感じられることが大切。加えて、素材の魅力を最大限に活かすことも必須条件です。
「ガラスの場合は、なんといっても光を反射してキラキラ輝く点が魅力。プレーンなものもいいですが、加工を施して光を屈折させると、表情がグッと深まりますよね。その輝きを通して中のウイスキーを見ると『美しい』。それは、ダイレクトに『美味しい』につながると考えています」。

山崎×タケオキクチ 香り愉しむフレグランスグラス TAKEO KIKUCHI

香りを愉しむ最適解とは?プロの愛用品をヒントに。

菊池氏の想いを形にしたのは、ハンドメイドに徹した製品づくりを通してガラスの美しさを世に届ける菅原工芸硝子。熟練技を持つ匠たちの知恵や経験を結集し、試作を繰り返しました。プロが愛用するテイスティンググラスの形状をベースに、カジュアルさと繊細さをあわせ持つストライプ状の模様を施します。ガラスを型に吹きつける息の強さや、1秒にも満たない時間の差によって、出来上がりには微妙な違いが生まれます。最終的に候補となったのは8点の試作品。実際にウイスキーを注ぎ入れ、琥珀の見え方や使い心地、香りの感じ方や口当たりの良さなど、あらゆる点を考慮して最適解を探ります。

山崎×タケオキクチ 香り愉しむフレグランスグラス TAKEO KIKUCHI

「ワインやリキュールの場合はステムが細いものが似合うけれど、ウイスキーに合うのはステムが短くて太いタイプだね。持つ手にしっかりフィットするから、香りに集中することができる。うん、これは『美しい』!」
8点の試作品の中から最終的に選ばれたのは、上部のくびれが強く、ストライプ状の模様もはっきり出ているもの。ステムの部分が短く、安定感のあるプロポーションです。ストライプ状の模様は、ウイスキーの琥珀を魅力的に彩るものとなりました。ただし、模様をはっきりと出すためには、どうしてもガラスに厚みが出てしまいます。模様とガラスの薄さを両立させることは至難の技。完成までには、高度な技とトレーニングを必要としました。

山崎×タケオキクチ 香り愉しむフレグランスグラス TAKEO KIKUCHI

先人たちへの敬意を忘れずに未来へ繋がる文化を創造する。

構想から約6ヵ月、ついに完成した「山崎×タケオキクチ 香り愉しむフレグランスグラス」を手に、菊池氏はこんなことを語ります。
「ファッションもウイスキーも、先人たちが積み上げてきた尊い文化が背景にある。それらに触れるときは、先人やつくり手たちに敬意を払うことを忘れてはいけないと思うんです。重ねてきた時間や工夫を凝らした技、そして受け継がれてきた想い。そういったことに想像力を働かせてみると、この一杯も、いっそう深みのあるものになりますよね」。
日本にファッション文化を根付かせた菊池氏の言葉。その重みは計り知れません。効率の良さや価格の安さに気を取られ、新しいものに飛びつきがちなわたしたち日本人。ものづくりの背景に想いを巡らせることも大切にしたいものですね。
「過去のものを尊重しながら、現在の感性や新しい発想を融合させていく。それこそが、未来につながる文化になるのだと思います。人やものを想い、敬意を払うこと。それは、暮らしを豊かにする拠りどころにもなりますから」。
75歳を超えてますます輝きを増す菊池氏。クリエイションへの情熱はとどまる所を知りません。込められた想いにほんの少し目を向けて。琥珀の香りを存分にお愉しみください。

山崎×タケオキクチ 香り愉しむフレグランスグラス TAKEO KIKUCHI
山崎×タケオキクチ 香り愉しむフレグランスグラス
山崎×タケオキクチ 香り愉しむフレグランスグラス

山崎×タケオキクチ
香り愉しむフレグランスグラス
¥7,500(税込8,250円)

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