『世界の5大ウイスキーとは』

世界の5大ウイスキーの地図

皆さんは「世界の5大ウイスキー」をご存知でしょうか?
日本、スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダの5カ国が主要なウイスキー生産地として知られ、「世界の5大ウイスキー」と呼ばれています。
これらの国々では、それぞれ独自の風土に合わせた製法を発展させ、個性的なウイスキーを生み出し、世界中のウイスキーファンを魅了し続けています。

スコットランドのウイスキーの産地

ウイスキー誕生の地・スコットランドのウイスキーの産地には、スペイサイド、ハイランド、ローランド、アイラ、キャンベルタウン、アイランズの6つの地域があります。今回は独特な香りと味わいで多くのウイスキーファンに愛される、アイラの魅力に迫ります。

アイラについて

アイラ島の地図

アイラはスコットランドの西岸沖に北から南に島々が点在する、インナーへブリディーズ諸島の最南端に位置する島のことを指します。
アイラ島は手つかずの美しい自然と野生動物の宝庫で、“へブリディーズの女王”と呼ばれています。
面積は600km²と日本の淡路島くらいの小さな島で、人口も3,000〜4,000人と少ないアイラ島ですが、そこでつくられるモルトウイスキーは「アイラモルト」と呼ばれ、世界中のウイスキーファンから愛されています。

アイラ島の土地の多くはピートという泥炭を含む湿原に覆われています。
ピートとは植物が長い年月をかけて堆積し、空気が触れない条件下でゆっくりと分解、炭化したもので、アイラ島のピートにはスコットランド本土とは異なり、海藻類や貝殻など、強い海風が運んできた海産物がたくさん含まれています。
「アイラモルト」は麦芽の乾燥に、この潮の香をたっぷり含んだピートを焚くことと、アイラ島のほとんどの蒸溜所が海に面していることから、海藻や潮の香りの特性を持ち、「スモーキー」と表現される燻香をまとったアイラモルトの独自の味わいが生まれます。

その独特な味わいは、一般的なウイスキーとは違った非常に個性的なもので、アイラモルトの大きな特徴となっています。
初めて飲む方は、ちょっと驚くかもしれません。
しかしその強烈な個性によって、ウイスキーの世界の面白さにきっと触れることができます。

これを魅力と思うか、苦手と思うかは別として、その非常に個性的な味わいによりアイラのウイスキーには根強いファンが存在し、世界中で人気を博しています。

アイラのシングルモルトウイスキー「ボウモア」「ラフロイグ」

アイラ代表のウイスキー「ボウモア」「ラフロイグ」。
今回は伝統的な香味世界を守りつづけている、まさにウイスキーづくりの源流、原点であるピーテッド麦芽由来のスモーキーさが魅力の2種をご紹介します。

麗しくベストバランスなアイラモルトの女王「ボウモア」 「ボウモア」の輝きには女神が宿る

女王のウイスキー「ボウモア」

アイラ島の蒸溜所から生まれるウイスキー、アイラモルトの香味特性は、潮の香りのスモーキーという表現で語られています。
シングルモルトウイスキー「ボウモア」の香味特性はこのスモーキーだけでなく他のアイラモルトに比べ多彩で、そのうえ麗しくしなやかな気品、そして力強さもあり、“アイラモルトの女王”とも呼ばれています。

Queen's Malt Whisky “BOWMORE” へブリディーズの女王は、ウイスキーの聖地。
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立地と環境

ピート原野に吹く潮風
ピート原野に吹く潮風

ボウモア蒸溜所では、いまだに蒸溜所内でフロアモルティングをおこない麦芽をつくり、発芽を止める乾燥工程にピートを焚いています。潮の香もたっぷり含んで堆積したピートを焚くことによって、麦芽に独自の燻香が浸み込むことになります。

ボウモアの3大遺産

ボウモア蒸溜所の大いなる遺産
ボウモア蒸溜所の大いなる遺産

ボウモア蒸溜所には古くから守り伝承されつづけている、スコッチのモルト蒸溜所のなかでも大きな特長となっている誇り高い3つの遺産があります。

●1779年創業でアイラ島最古の蒸溜所であり、スコッチでも一、二とされる古い歴史
●いまだにフロアモルティングをおこない、麦芽乾燥にピートを焚く
●海抜0メートルにある、スコッチ最古の貯蔵庫No.1 Vaults

海抜0メートル、第一貯蔵庫の特殊な貯蔵環境
海抜0メートル、
第一貯蔵庫の特殊な貯蔵環境

「ボウモア」はゲール語で“大きな岩礁”。第一貯蔵庫である「No.1 Vaults」はダイレクトに海に面しており、波打ち際の岩盤を削り取り整地した上に建造されています。庫内の床は海面下に位置し、半地下のようなつくりともいえます。天候次第では波しぶきが外壁を洗い、嵐となれば荒波が容赦なく外壁を打ちつけます。

No.1 Vaultsはそんな極めて稀な立地にあり、原酒樽熟成に理想的な環境をおよそ240年にわたり保ちつづけています。最古の伝統とともに他と比べようもない立地が、“アイラモルトの女王”“ベストバランス・アイラ”と讃えられるモルトウイスキーを育んでいるのです。

ボウモアの製法

ピート層をくぐり抜けた仕込水、伝統を守りつづける製麦工程

仕込水はピート層をくぐり抜けて湧く、蒸溜所近くを流れるラガン川を源とする水を使用しています。ピートの影響を受けた茶色をした良質の軟水で、アイラ島ならではの仕込水です。

水に浸した大麦を発芽室の床に広げ、時折木製シャベルですき返し、発芽を促します。この手間のかかる非効率な仕事ともいえるこのフロアモルティングにより、ボウモア独自の麦芽がつくられます。

ほどよく発芽した麦芽は、キルン(麦芽乾燥塔)の下にある乾燥室に運び込まれます。下の釜ではピートが焚かれ、ピートの熱煙で麦芽の成長を止めます。このときに固有の燻香、スモーキーフレーバー(ピート香)が麦芽に浸み込みます。

発酵槽は木桶、蒸溜器はストレートヘッド
発酵槽は木桶、蒸溜器はストレートヘッド

製麦が終わると、でんぷん質を糖分に変える糖化工程へと移ります。麦芽を粉砕後、温められた仕込水とともにステンレス製のマッシュタン(糖化槽)に投入し、やさしくかき混ぜ、時間をかけてゆっくり濾過し、甘い麦汁を採取します。

次に発酵。発酵槽はオレゴンパイン材の木桶発酵槽。麦汁に酵母が加えられ、温度管理に細心の注意を払いながら時間を掛け、ウォッシュと呼ばれる発酵液(醪/もろみ)を得ます。

つづいて蒸溜。銅製の蒸溜器(ポットスチル)はすべてチャーミングなストレートヘッド。初溜、再溜による2回の蒸溜により最良の香味成分を抱いたニューメイクをカットし、これが貯蔵熟成へと向かいます。

高品質の樽、海沿いの湿潤な貯蔵環境

ニューメイクはオークの樽に詰められ、熟成への長い歳月を積み重ねていきます。主体となる樽は2種。ホワイトオークのバーボン樽とスパニッシュオークのシェリー樽。バーボン樽70%、シェリー樽30%の比率で使用されています。その他にもボルドーとマデイラのワイン樽、ジャパニーズオークであるミズナラ樽などでも貯蔵熟成をおこなっています。

製品ラインナップ

バランスのよい優美さを誇るスモーキー・アイラ

スモーキーフレーバーは強すぎず弱すぎず、アイラモルトの女王としての麗しさがあります。長年、樽種の使い分けにこだわり、香味バランスを追求しつづけています。

ボウモア12年
ボウモア12年 BOWMORE 12 years

ボウモア蒸溜所を代表するシングルモルト。バーボン樽とシェリー樽での熟成モルトをブレンドしました。ドライなスモーキー感と柔らかなフルーティーさが見事に調和しています。全体に温かみ、甘美さがあり、強く優美な女王の味わいです。ロックがおすすめです。

Tasting Note
琥珀色
香り
スモーキー・レモン・はちみつ
ウッディネス・ダークチョコを想わせる温かみのあるコク
フィニッシュ
繊細で優美な余韻が長くつづく
ボディ
ミディアムボディ
ボウモア15年ダーケスト
ボウモア15年ダーケスト BOWMORE 15 years DARKEST

バーボン樽で12年間熟成させた原酒を、オロロソ・シェリー樽で3年間熟成。ウッディかつ甘美な味わいを実現しています。

Tasting Note
赤褐色
香り
ダークチョコレート・レーズン・スモーキー
ウッディネス・はちみつ・しなやかな甘み
フィニッシュ
力強くあたたかい・かすかなシェリー
ボウモア18年
ボウモア18年 BOWMORE 18 years

「ボウモア」の特長であるシェリー樽に由来するスウィート感が際立つ、贅沢なモルト。
フィニッシュまでこころゆくまで楽しめます。

Tasting Note
マホガニー色
香り
クリーミーなトフィー・完熟フルーツ・スモーキー
軽やかなスモーキー・フルーツ・チョコレート・柔らかな甘み
フィニッシュ
長くバランスがよい
ボウモア ナンバーワン
ボウモア ナンバーワン BOWMORE No.1

ボウモア蒸溜所が所有する貯蔵庫の中でも最も古く、海に近い海抜0メートルに位置する「No.1 Vaults(第一貯蔵庫)」などで熟成させたファーストフィルバーボン樽※原酒を100%使用しました。潮の香りとバニラの香りが際立つ、心地よいスモーキーな味わいが特長です。
※バーボンウイスキーの熟成に一度使用した樽

Tasting Note
黄金色
香り
かすかな潮の香、バニラ
シトラス、ハチミツ、心地よいスモーキー
フィニッシュ
バニラ様の甘さとライムのような爽やかさ
真の王者だけが抱く、愛がある。 ザ・スモーキー・アイラ「ラフロイグ」

世界を魅了しつづけるアイラモルトの王「ラフロイグ」

アイラ島でつくられるモルトは、総じてスモーキーで海藻や潮の香の特性を抱いていますが、「ラフロイグ」はスモーキー・アイラの象徴でありつづけています。薬品を想わせるヨード様の独特な香りに、味わいはオイリーで濃厚、やや塩っぽくてドライな後味といった強烈な個性があり、昔から“惚れ込むか、大嫌いになるかのどちらか”と評されてきました。

ウイスキーの聖地、アイラ島にある王室御用達のモルト蒸溜所。
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ラフロイグ蒸留所

静かで美しい入り江から世界のスモーキーは生まれる。

ラフロイグ蒸溜所は島の南部に位置します。「ラフロイグ」はゲール語で“広い入り江の美しい窪地”を意味し、その風光明媚さはスコットランドの蒸溜所の中でも1、2を争います。創業は1815年。19世紀後半からブレンデッドウイスキーに多大な貢献してきました。力強い酒質は伸びがよく、フレーバーの特色を生むために、あるいは隠し味として、スコッチのブレンダーたちにとって重要なモルトウイスキーでありつづけています。さらには20世紀初頭のアメリカ禁酒法時代には薬用酒として輸出されていました。こうした香味特性と歴史的エピソードが、長らく“好きになるか、嫌いになるか”のイメージを与えつづけたともいえるでしょう。

シングルモルトウイスキー初の英国王室御用達を戴く。

チャールズ皇太子から品質の高さと香味の豊かさが認められ、1994年、シングルモルトウイスキーとして初の英国の王室御用達許可証を下賜されました。蒸溜所の建物の白い外壁にはダチョウの羽を3本あしらった別名“平和の楯”と呼ばれるプリンス・オブ・ウェールズの紋章が飾られています。

シングルモルトウイスキー初の英国王室御用達を戴く。

ラフロイグの製法

際立つピート香と潮の香

いまでは数少なくなった蒸溜所でおこなう古典的なフロアモルティングは、ピート成分の溶け込んだ水をたっぷりと含んだ大麦を床に広げ、職人が8時間おきにすき返して発芽を促します。
ほどよく発芽したところでキルン(麦芽乾燥塔)の下にある乾燥室で発芽を止めます。
麦芽乾燥に使用するピート(泥炭)はアイラ空港近くの湿原にある専用ピートボグ(採掘場)から掘り出します。ツツジ科のヘザーとコケ類、海藻をも含んで生成した他に比べて水分量の多いピートを使っています。これにより、ラフロイグ独自のピート香が生まれるのです。

際立つピート香と潮の香

経験に裏付けされたスモーキー

銅のくびれたランタン型の再溜器の形状がスモーキーな香味特性に影響を与えていると言われています。またニューメイクのカットが通常のタイミングより遅くおこなわれ、最後のほうにカットされる高いフェノール値の蒸留液を取り込むことにより、独特の香味を生んでいます。

バーボン樽がもたらす深遠

ニューメイクはオークの樽に詰められ、熟成という長い年月に身をゆだねます。「ラフロイグ」の貯蔵樽のほとんどがバーボン樽の1st.フィル。つまりホワイトオーク材のバーボンの熟成に使用された樽に、最初に樽詰めされたものだけを使うということになります。1st.フィル・バーボン樽は、「ラフロイグ」にバニラの甘さ、クリームの滑らかさを与えます。これが単にピィーティでスモーキーといった強さだけでなく、優しさのある深遠な香味を生む大きな要因となっているのです。

製品ラインナップ

へビリーピーテッドのリッチ&パワフル・スモーキー

ザ・スモーキー・アイラと謳われる「ラフロイグ」。麦芽フェノール値はとても高く、強い磯の香の薬品的なフレーバーが特徴です。

ラフロイグ セレクト
ラフロイグ セレクト LAPHROAIG SELECT

ペドロヒメネス・シェリー樽、ヨーロピアンオーク・シェリー樽、バーボン樽で熟成したモルトをブレンド(ヴァッティング)後、アメリカンオークの新樽で後熟。多彩な樽で熟成した重層感があり、スモーキーにシェリーの心地よい甘美さがそよぎます。ロックがおすすめ。

Tasting Note
スパークリングゴールド
香り
スモーキー・ココナッツ・バナナ
重厚なスモーキーに柔らかな甘み
フィニッシュ
スモーキーながら甘美な余韻が長くつづく
ボディ
ミディアムボディ
ラフロイグ 10年
ラフロイグ 10年 LAPHROAIG 10 years

ラフロイグ蒸溜所のフラッグシップ・モルトで、世界的な人気を誇るシングルモルトウイスキーです。爽快なピート香や磯の香の強烈で独特の香りが特徴です。1st.フィルバーボン樽熟成による甘いバニラ、クリームのような滑らかさを合わせ持ちます。ハイボールがおすすめ。

Tasting Note
濃い金色
香り
爽快なピート・磯の香
バニラ・クリームの滑らかさ・ややオイリーなコク
フィニッシュ
海藻を想わせるユニークな心地よい後味がつづく
ボディ
ミディアムボディ