『世界の5大ウイスキー』とは

世界の5大ウイスキーの地図

皆さんは「世界の5大ウイスキー」をご存知でしょうか?
日本、スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダの5カ国が主要なウイスキー生産地として知られ、「世界の5大ウイスキー」と呼ばれています。
これらの国々では、それぞれ独自の風土に合わせた製法を発展させ、個性的なウイスキーを生み出し、世界中のウイスキーファンを魅了し続けています。

スコットランドのウイスキー産地

スコットランドのウイスキーの産地の地図

ウイスキー誕生の地・スコットランドのウイスキーの産地には、スペイサイド、ハイランド、ローランド、アイラ、キャンベルタウン、アイランズの6つの地域があります。
今回特集するザ・マッカランは、スコットランドを代表するウイスキーの産地であるスペイサイドに位置しています。
スペイサイドは、スコットランド国内に約110ある蒸溜所の約半数(!)が集中する地域。
スペイサイドのウイスキーは一般的に華やかな甘みがあり、飲みやすいものが多いと言われています。
そんな中でも絶大な人気を誇るザ・マッカラン、今回はその魅力に迫ります。

シングルモルトのロールスロイスと評されたマッカラン

イギリスが誇るハロッズ百貨店の「ウイスキー読本」で、シングルモルトのロールスロイスと称される、ザ・マッカラン。
その、世界でも類まれなる人気を博している製品は、数かずの伝統やこだわりを通じてつくられます。

ザ・マッカラン
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- ザ・マッカランを支える、6つの柱 -

ザ・マッカランの魂が宿る家
スペイサイド地方に、1700年に建てられたと言われるイースターエルキーハウス。
ザ・マッカランの伝統とおもてなしの象徴。蒸溜所の歴史を見守ってきたこの建物には、シングルモルトのロールスロイスと称されるザ・マッカランの起源があります。
ユニークな小型蒸留釜
すぐれたウイスキーづくりの地として名高いスペイサイド地方で、最小の蒸溜器。そのカタチはそれぞれ異なり、ひとつひとつがザ・マッカラン特有のリッチ、フルーティー、フルボディを生み出しています。
「最高の中の最高」だけ
小さな蒸溜器からつくられる、生まれたてのニュースピリッツ。その中のもっとも上質な「ベスト・オブ・ベスト」だけが、ザ・マッカランの原酒に。その量、わずか16%。
まさに、選ばれしモルトウイスキーです。
樽へのこだわり
ザ・マッカランのこだわりは樽。
例えばザ・マッカランで使うシェリーオーク樽は自らがつくった樽をシェリーメーカーに貸し出し、シェリーが熟成したあとの樽を、ザ・マッカランの熟成のために使用します。
自然から贈られる色彩
無着色に徹底してこだわり続ける、ザ・マッカラン。厳選したシェリー樽からにじみ出る、赤みの強い琥珀色とデリシャスな芳香は、シェリーがたっぷりとしみ込んだものならではの贅沢な贈り物です。
比類のない職人魂
厳選したシェリー樽でゆっくりと眠るウイスキー原酒を静かに見守り続け、熟成のピークを見きわめる。そして、完全なものだけを慎重に瓶詰めし、ウイスキー通たちが待つ世界各国へと出荷します。

マッカランの発祥

豊かな大自然と緩やかな時間に満ちた地で。

昔もいまも変わることなくスペイサイドの美しい風景として溶け込んでいる、ザ・マッカラン蒸溜所。ここが、多くのコンペティションでNo.1となり、ハロッズのウイスキー読本で「シングルモルトのロールスロイス」と讃えられたザ・マッカランの故郷です。エルギンから南へ約20キロ。941号線がクレイゲラヒー村に入ってしばらくすると、英国一の急流で知られるスペイ川は浅瀬になります。岸辺の鉄道跡地が緑の遊歩道となる、村の対岸の木立の中。ザ・マッカランエステートで丁寧に育てられたミンストレル大麦を使い、ゆっくりとした時間に抱かれながら、ザ・マッカランは生まれるのです。

豊かな大自然と緩やかな時間に満ちた地で
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- 約150ヘクタールを誇る、独特の存在 -

約150ヘクタールを誇る、独特の存在

ザ・マッカランエステート。それは、美しい大自然の中に広がり、その土地の風土と調和を保ちながら、多くの人々によって農作業が行われています。現在の敷地は、約150ヘクタール。そこには、ザ・マッカランの原料である大麦を生産する農地、羊や牛を放牧するための牧草地、ウッドランド、そして刈り込んだ草地などが広がっています。

約38ヘクタールの農地では、ザ・マッカラン独自の品種であるミンストレル大麦の種を3月にまき、8月末または9月初頭の時期に収穫し、製麦へ。ザ・マッカランエステートの農地は沖積土が軽くとても肥沃な土壌で、大麦栽培に理想的な環境。1エーカーあたりのミンストレル大麦の収穫量は約25トンにのぼり、これはザ・マッカラン約1800本分にあたります。

マッカランの歴史

頑固なこだわりは、約190年前から。

すぐれたウイスキーづくりの地として名高いスペイサイド地方に所在する、ザ・マッカラン蒸溜所。ここは、1824年にハイランドで2番目に「蒸溜ライセンス」を取得し、合法的に蒸溜が行える政府登録蒸溜所として発足した、名門の中の名門です。蒸溜所の歴史はさらに古く、この周辺がまだマッカラン教区といわれていた18世紀初めには、すでにその名が知られていました。そして、クレイゲラヒーの浅瀬を渡って都会に牛を売りに行く牧童たちによって、マッカラン農場の<いのちの水>は徐々に広められ、評判となっていったのです。

頑固なこだわりは、約190年前から
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- 多くの紆余曲折を経た、ザ・マッカランの象徴 -

多くの紆余曲折を経た、ザ・マッカランの象徴

ザ・マッカラン蒸溜所のスピリチュアルホームとされる、象徴的な建物。そんなイースターエルキーハウスは1700年、ジョン・グラント大佐によって建てられました。以後、相続した孫が売却をしたり、創設者一族がふたたび所有したり、敷地内に蒸溜所が設立されたりと、長い歳月のあいだに多くの紆余曲折があります。そして、1857年には建物が修繕・拡張され、1978年からは修復が着々と進められました。

屋根の再建、屋根窓の復元、階段の設置…。2005年になるとゲスト用宿泊施設が設けられ、ご訪問客は滞在しながらザ・マッカランに親しむことができるようになりました。以来、イースターエルキーハウスは威厳に満ちた姿で、世界中のウイスキー通の皆さまをおもてなししています。

マッカランの製法

厳しく選び抜いたものだけを、原料に。

ザ・マッカランの原料となるものは、大麦、清涼な泉の湧き水、イースト菌のみ。麦芽は、専用につくられたものだけしか使用しません。製造過程を通じて使われる水は、ザ・マッカラン蒸溜所の近隣を流れるスペイ川のそばにある泉の湧き水です。長いあいだ山や渓谷を通じて濾過されてきたこの水は、軟らかくてピュア。そしてミネラル豊富で、イースト菌が麦汁を発酵させるのに最適です。

厳しく選び抜いたものだけを、原料に
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製麦〜発酵 - 大切な原料たちが、はじめて出会うとき。-

製麦〜発酵 大切な原料たちが、はじめて出会うとき

ザ・マッカランの製造は、原料となる大麦で麦芽をつくることからはじまります。専用に用意された大麦をスティープと呼ばれる温水槽に約48時間浸すことによって細胞を柔らかくし、栄養分を蓄積。5日間かけて大麦を発芽させたあと、キルンと呼ばれる乾燥塔で乾燥させ、ウイスキーづくりに最適な状態で大麦の成長を止め、麦芽を完成させます。 麦芽は細かく砕かれ、清涼な湧き水を使ったお湯とともに、マッシュタンと呼ばれる糖化槽へ。この工程では温度の違うお湯を3回加えながらかき混ぜることで、麦芽のでんぷんを糖分に変えます。できあがった甘い液体はウォートと呼ばれ、つぎの発酵過程に進みます。 ウォートはイースト菌と一緒に、ステンレス製の発酵槽へ。ザ・マッカランは、この発酵過程で異なる2種類のイースト菌を使い、その働きによってウォートの糖分が分解され、アルコールが生成。イースト菌が順調に活動できるように綿密な温度管理をしつつ、約48〜56時間をかけてアルコール分8%のビールに似たウォッシュと呼ばれる液体ができあがります。

蒸溜 - スペサイドの最小釜で、丁寧に、注意深く。-

蒸溜 スペサイドの最小釜で、丁寧に、注意深く

これまでの工程でつくられたウォッシュは、2度の蒸溜過程を通じてアルコール分を高め、精錬されていきます。蒸溜に使われる蒸溜釜は、ザ・マッカランの品質を形作るこだわりのひとつ。スペイサイドで最も小さいといわれている銅製の蒸溜釜で、丁寧に蒸溜することによって濃くオイリーなザ・マッカランのニューメイクスピリッツができあがります。その味わい深く濃いスピリッツは、これからはじまる気の遠くなるほど長い樽での熟成に耐える力を持ち、華やかな個性や長期熟成による類まれなる品質のベースとなっています。 また、ザ・マッカランの原酒となれるのは、全蒸溜液のわずか16%。最初と最後に出てくる蒸溜液には十分な成分が含まれていることがないため、中間に抽出される厳選された部分だけしか使用しません。このファイネストカットと呼ばれるザ・マッカランのこだわりは、本当にいいものだけしか使わないという信念を象徴しています。

樽へのこだわり - 徹底管理して完成された、理想のゆりかご。-

樽へのこだわり 徹底管理して完成された、理想のゆりかご

ザ・マッカランがもっとも大切にし、こだわっていることは、熟成に使う樽の品質です。ザ・マッカランの大部分で使われるヨーロピアンオーク樽とアメリカンオーク樽は、自社で管理する森林で伐採されたあと1年ものあいだ天日で乾燥され、スペイン南部で手作業の加工によってシェリー用の樽に。さらに、専用のシェリー酒を3年間詰め、熟成させてはじめて完成します。このように、原木からシェリーのシーズニングまですべてを自社で管理して手間ひまをかけ、ザ・マッカラン専用のシェリー樽をつくっているのです。 また、ウイスキーの製造責任者と同格の樽管理責任者という役職を置き、熟成に使う樽の品質の徹底的な管理を実現。できあがるウイスキーの味、香り、風味に、樽の品質が大きな影響をあたえることを十分に理解しているからです。

熟成〜製品へ - 長くおだやかな眠りから覚め、栄光の銘酒へ。-

熟成〜製品へ 長くおだやかな眠りから覚め、栄光の銘酒へ

丁寧に蒸溜されたニューメイクスピリッツは、厳格に管理された高品質の樽に詰められ、長い長い眠りにつきます。そのゆったりとした熟成の中で、ザ・マッカランは華やかで重厚な味わいへ。できあがる原酒の個性や色は、樽の品質や貯蔵の状況によって、さまざま。ただ、ザ・マッカランは着色料を使わずに、自然の色であることにこだわります。あの、濃く華やかな色合いは決して人工的につくられたものではなく、あらゆる原酒を神業ともいえる絶妙のバランスでバッティングしてはじめて、実現されるもの。 また、原酒は毎年、ザ・マッカランの職人であるウイスキーメーカーたちが熟成状況をチェックし、製品として世に出せる最適のタイミングをはかっています。倉庫には、じつに50年を超える原酒も存在。 このように、原料から製造・貯蔵まで一貫してこだわり抜くことで、世界でも類まれなる評価を博すザ・マッカランが生まれるのです。

ザ・マッカランハイボールの美味しい作り方